賞味期限ギリギリのパンの販売で成功する方法

昨今、食品ロスの問題が大きく取り上げられています。スーパーやコンビニの賞味期限切れ食品の投棄問題や、少し前にはコンビニが「恵方巻」をつくりすぎて売れ残りが大量に発生したこともありました。食品ロスはモッタイナイことのほかに、これを逆手に取ったビジネスも現われてきました。

①パン屋さんの悩みを解決する方法
現代はパン屋の出店ブームであり、起業する人も増えています。その種類も食パンや菓子パンなど、趣向をこらした魅力的な商品がたくさん出てきました。

1.アピール方法に変化をつけて弱点を強みに変える
競争相手が多くなれば、特色を打ち出していく必要があります。
それではその弱点を逆手に取るアピール方法もあるでしょう。天然の素材を使い、防腐剤などを添加していないパンはたしかに日持ちがしません。
「賞味期限1日」を謳えば、商品が新鮮であることを顧客に伝えることができます。また多くのパン屋さんは1人起業の場合も多く、人手が少ないという悩みをもっています。このようなケースでは「1日10個限定。これ以上はつくれません」と謳えば、丁寧さや限定品といったアピールが可能になるでしょう。

2.食品ロス解決としての深夜のパン屋
出店者のもうひとつの悩みはやはり食品ロスです。準備する商品量の調整は難しいものです。多すぎれば売れ残りが発生するし、少なければすぐに欠品し、常連が定着しなくなるかもしれません。個人商店で商品量を調整することは難しいのです。
先日、あるテレビ番組で深夜の繁華街でパン販売している店が紹介されていました。深夜まで働いているホステスさんが夜食用に買って帰ったり、客が自宅にお土産として買うのだそうです。実は、ここで販売されているパンはこの店でつくられたものではありません。店の店主は、近郊の複数のパン屋から賞味期限がせまり廃棄処分される前のパンを買い入れて、ここで安く販売しています。商品のバラエティも多く、普段半値以下の廉価で売られていることから大評判になっているそうです。

②パン以外の食品販売ビジネスにも応用できるはず

1.いたるところに見られる飽食の光景
これまでも、賞味期限の切れたパンを家畜のエサにするなどの転用が一部でおこなわれてきましたが、ほとんどタダ同然で引き取られていたのが現状であり、この深夜のパン屋さんの成功事例はあたらしいアプローチだといえるでしょう。
賞味期限の問題はパン以外にも無数にあります。さきほどの「恵方巻」しかり、クリスマスケーキやスーパーマーケットで売られている土用の丑をすぎた鰻のかば焼きは、時期が過ぎて売れ残ったあと、どうなるのでしょうか。

2.販売方法を工夫すればあらたなビジネスが生まれる
個人的に気になっているのは、収穫が多くなりすぎて廃棄処分される野菜です。収穫前のキャベツや白菜をトラクターで踏みつぶしている光景は胸が痛くなります。
これらの野菜が廃棄される理由は、市場に野菜が大量に出ることによる値崩れの問題と、販売価格を上回る運送費の問題があるといいます。そうであれば、通常のルート以外の販売ルートで売り、これを売る人が自ら野菜を運搬すれば問題は解決するはずです。

3.規格外野菜の行き先
また、規格外の野菜についても、ほとんどが廃棄されているという現実があります。市場流通における産地間競争の激化にともない、規格はより高い水準を求める傾向にあります。規格外となった野菜の取り扱いは農家にとって大きな悩みです。比較的見た目のよいものは、直売所などで販売したり加工業者に売ったりできますが、多くの規格外野菜は引き取り先がなく、最終的に畑にすき込んだり、廃棄しているのが現状です。味も品質も変わらないのに、規格に合わないというだけの理由で作物を廃棄しなければならないというのは、本当に残念なことです。

4.海外における廃棄野菜削減への取り組み
オーストラリアには、消費期限が近づいた食品や生鮮品だけを扱うスーパーマーケットがあります。この店の商品には値札が付いていません。お客さんが商品の値段を決めて買うシステムなのです。店舗の運営はボランティアで行われ、売上金は食品ロス削減の活動資金に充てられています。
アメリカにも規格外の野菜や果物を農家から買い取り、スーパーでの販売価格の30~50%引きの格安価格でオンライン販売し、自宅まで配送するサービスがあります。このほか、イギリスでは、余った食材をユーザー同士で譲渡しあえるアプリがあるそうです。

③廃棄野菜を販売する方法

1.ECサイトでの通販
ECサイトでの通販で成功しているEC事例が多数あります。ハウツーを詳しく解説するサイトもあるので参考にしてみましょう。

2.レストランや飲食店に直接販売
飲食店と直接取引できれば、個人消費者向けよりもまとまった量を販売できます。飲食店は使う野菜にもこだわりを持っている場合が多く、ある程度の定量を継続的に収める必要があります。

3.加工品として販売
ジャムやトマトピューレなど、生産者自らがつくった加工品がよく売れています。最近では、一般社団法人を設立して規格外野菜を買い取り、加工などして販売している取り組みなども盛んです。地元に人脈を持つ人と協力して、地域を挙げて規格外野菜の問題に取り組むことができれば理想的です。

④会社設立や起業を考えている方へ
会社を設立するうえで欠かせないのが「登記手続き」と「創業資金や運転資金の準備」です。
会社登記は会社設立をする際に必須の手続きです。
自分で手続きをすることもできますが、かなりの手間や時間がかかります。
また、融資を受けて創業をする場合には、金融機関に提出するためのさまざまな資料を準備しなければなりません。
また、さまざまな助成金補助金制度についても、個人で申請をおこなうのはなかなか骨が折れるものです。
こんなときには専門家に手続きを依頼しましょう。
登記手続きや創業融資、助成金補助金の申し込みに費やす時間や労力は、ぜひこれからのビジネスの本業をスタートするために使っていただきたいのです。
手続きが面倒な社会保険の加入についても、専門家のアドバイスによってスムーズにすすめることができます。

⑤創業融資を受けるためには専門家を利用しよう
日本政策金融公庫で創業融資を利用する際には、行政書士のサポートを受けることをオススメします。
創業融資を受けるためには、創業計画書や事業計画書などを作成し、創業するビジネスがどのように成功していくかについて根拠をもって説明する必要があります。
創業計画書や事業計画書をどれだけしっかりと作成し、きちんと説明できるかという点が非常に重要です。
もちろん、ご自身で創業計画書・事業計画書を作成し、日本政策金融公庫の面談を受けることも可能ですが、融資成功の確率をしっかりと高め、融資を実行させるためには、融資の専門家に依頼するのが一番です。