デジタル遺産トラブルを未然に防ぐ方法

「デジタル遺品」とは、パソコンやスマホなどのデジタル機器に保存されたデータや、インターネットサービスのアカウントなどを指します。

デジタル機器には膨大な個人情報が含まれています。しかし、持ち主が亡くなったあと、故人が生前管理していたデータやサービスに遺族がアクセスできなくなると、遺族が大きな負債を背負うことになったり、相続トラブルに発展することも考えらえます。近年は自死や突然死など、若年層のデジタル遺品も目立っています。

そこで今回は、デジタル遺産トラブルを未然に回避する方法を考察します。

①デジタル遺産トラブルの現状

1.トラブル発生のほとんどの原因はパスワードの紛失

デジタル遺産のトラブルの原因は、スマートフォンやパソコンのパスワードが解除できなくなってしまったという事例がほとんどです。遺族が故人のスマホにログインを試みて、手あたり次第にパスワードを入力し、アクセスできなくなってしまったというトラブルも多発しています。

とくに注意したいのはiPhoneです。iPhoneのパスワードは10回間違えると、スマホ内のデータが初期化されてしまう機能が標準搭載されています。Androidについても、Galaxyの一部端末は、15回連続ミスで初期化する設定が選べる機種があるようです。

ちなみに、パソコンのパスワードには、何度か試してもデータが初期化される機能は搭載されていません。

2.どんなデータが残されているのか

たとえば、住所録や写真データなど、家族の思い出になる記録が残されています。葬儀を行う際に、個人の友人や知人に連絡ができないなどのトラブルも考えられます。

深刻なのは、ネット上の取引契約や、ネット証券口座、電子マネー、ネット銀行口座などの、お金に関する契約情報が凍結されてしまうことです。

②契約に関するトラブル

1.有料サイトやサブスク

有料サイトや課金アプリ(サブスク)の契約は自動更新になっていることが多く、契約者の没後も契約が継続され、銀行口座から金銭が引き落とされ続けます。パソコンやスマホのメールを見ることができない第三者には、故人がどんなサービスに入っていたのかわかりません。

持ち主が亡くなって3か月たってからクレジットカードに謎の引き落としが発生し。調べてみると何かの有料月額サービスだとわかり、ようやく4か月後に解約できたというケースもあります。

2.銀行や証券株式などのデジタル取引

パソコンやスマホの中身が見られなくなると。ネットバンキング、ネット証券、FX、暗号資産(仮想通貨)、先物取引などの大きな金額の取引が、ブラックボックスに埋もれてしまいます。

なかでも、故人がFXや暗号資産、先物取引など、高リスクの取引を行っていたケースは危険です。取引の事実を遺族が関知しないまま、損失が際限なく膨らみ続けると、遺産相続によって莫大な借金や負債を背負う恐れがあります。

3.口座やクレジットカードの凍結で考えられるトラブル

一般的には、故人のクレジットカードを止めたり、引き落とし先の銀行口座を凍結することで、故人の利用していたサービスを把握せずとも自動引き落としを防ぐことはできます。

しかし、この手段にはリスクがあります。故人が生前利用していたサービスの自動引き落としを一律で停止すると、クラウドストレージなどに遺されたオンラインデータが勝手に削除されてしまう恐れがあります。なお、ネット証券、FX、暗号資産、先物取引などのネット投資は、口座凍結の瞬間に精算を求められることになるでしょう。

③トラブル回避のための生前対策

デジタル遺品に関するトラブルを避けるためには、どうすればよいでしょうか。答えは単純です。

トラブルの多くは、故人のパソコンやスマホ内にアクセスできないことが原因で生じます。したがって、遺族が故人のパソコンやスマホのパスワードを知ることができれば。ほとんどの問題を回避できるはずです。そこで、事前に家族にパスワードを伝えておく方法が考えられるほか、以下のような方法もあります。

1.財布や手帳にメモを残す

たとえば、名刺サイズの紙にパソコンやスマホのログインパスワードを記入し、自身の財布や手帳に挟んでおく方法が考えられます。万が一の際には、家族は故人の財布や手帳を確認するはずです。

2.エンディングノートの活用

自分に万が一のことがあったときの引き継ぎノート​​とも言える「エンディングノート」を活用する方法があります。エンディングノートにログインパスワードを記入し、家族に対して「万が一のときは、エンディングノートを見てほしい」と伝えておく形はどうでしょうか。

3.見られたくないデータがある場合

1)見てほしいデータだけを指定しておく

人にはいろいろな事情があります。家族にも見られたくない情報がある場合はどうしたらいいでしょうか。残念ながら、絶対的な対策はありません。

たとえば、他人に見られたくないファイルやフォルダにパスワードロックをかけておく方法が考えられますが、完璧ではありません。あるいは、見てほしくないデータがあるなら削除すればいいのですが、突然死であれば、どうしようもありません。

2)家族との人間関係を健全にしておく

そこで、「パソコンのドキュメントの○○○○○という名前のフォルダだけ見てほしい、それ以外は見ないでほしい」など、意思を明確に残しておくことをお勧めします。

もちろん、結果は受け取る側に任せるしかありませんが、自身の意思を伝えて、そのとおりに対応してもらえる人間関係を築くことも、生前対策の一部だと思います。

死因贈与の注意点

相続の一形態に「死因贈与」があります。書面が必要な「遺言書」異なり、死因贈与は口頭でも契約できることから、相続の方法として検討している方もいるかもしれません。

そこで今回は、死因贈与の仕組みと注意点を解説します。

死因贈与とは

死因贈与は贈与契約のひとつで、贈与者が死亡した時点で効力が生じ、生前に契約した受贈者に、財産が贈与される仕組みです。死因贈与は贈与契約の類型であり、一方の意志だけでは成立せず、贈与者と受贈者の合意により、成立します。

口頭での契約も可能ですが、贈与者が亡くなってしまうと死因贈与の立証が難しくなり、トラブルに発展するケースもあります。したがって、契約書を作成しておくのが一般的です。

死因贈与の特徴

1.確実に受贈者に財産を残せる

相続や遺贈の場合は、相続放棄や遺産分割協議によって、本当に財産を渡したい人に渡らないケースも想定されますが、死因贈与は生前に契約を結んでいるため、別の人に財産が渡るリスクや、相続放棄を避けることができるので、確実に受贈者に財産を渡すことができます

2.負担条項を付帯できる

死因贈与契約であれば、受贈者に負担条件を付帯できるメリットがあります。財産を贈与する代償として、介護や葬儀、ペットの世話などの負担を条件とした贈与ができるのです。

3.契約書の準備が必須でない

死因贈与のメリットのひとつが、契約書が必須条件になっていないことです。前述のとおり、口頭による契約でも構いません。

なお、口頭での契約の場合は、証人を立てることを推奨しますが、難しい場合はボイスレコーダーなどで記録を残しておくべきです。

4.死因贈与と遺贈の違い

遺贈とは、贈与者が遺言によって、死後の財産の行く先を決めることです。

寄贈者は、誰に、どのような財産を贈与するのかを自分の意志で決めることができます。相続の場においては、寄贈者の意志が尊重されますが、あくまでも寄贈者の一方的な意志であるため、受贈者は遺贈を拒否することが認められています。

また、遺贈の場合は、その内容を遺言書に記載することが求められます。

③口頭による死因贈与を立証する方法

口頭による死因贈与を立証するためには、いくつかの方法があります。

1.契約時に証人を用意する

これまで解説したように、口頭での死因贈与契約は立証が難しいため、証人を用意することが重要です。家族や親戚、知人、弁護士などに証人として立ち会ってもらいましょう。その際には、契約の日時を確認しておくことも、立証の際に有効です。

2.法定相続人から承諾を得る

死因贈与契約は、贈与者と受贈者の契約ですが、可能であれば法定相続人の承諾を得ておきましょう。証人はできるだけ多くするというのが、口頭契約の基本です。できれば相続人全員から死因贈与の承諾をもらうことをおすすめします。なお、承諾をもらう際には、相続人全員に実印と印鑑証明書を用意してもらいましょう。

死因贈与契約書を作成する際の注意点

1.死因贈与契約書を作成する

必須ではないものの、やはり書面による契約書を交わすことが、最大の立証対策になります。可能であれば、より立証の精度をあげるために、公正証書の形式によって死因贈与契約をしておくとよいでしょう。

2.契約書作成のポイント

死因贈与契約書には、厳格な規定はありませんが、スムーズに契約書を作成するために次のポイントを押さえて作成しましょう。

・契約日を明記し、贈与者と受贈者が署名捺印する

・贈与者と受贈者を明記し、受贈者が契約を受託したことを記載する

・贈与者の死亡によって、契約の効力が発生することを記載する

・贈与する財産を明記する

・負担条件があれば記載する

・立会人や執行人がいる場合は署名捺印する

3.不動産を死因贈与する場合は仮登記する

死因贈与の財産に不動産が含まれる場合は、仮登記をしておきましょう。仮登記によって、受贈者の権利が確保されます。不動産の所有権移転登記は贈与者と受贈者の同意による申請が原則ですが、仮登記は受贈者単独で可能です。

登記記録上に「贈与者の死後、所有権が受贈者に移転すること」と公示されるため、贈与者の処分を制限できる可能性を高められます。

4.その他の注意点

1)税金が高くなることがある

死因贈与で贈与者の不動産を取得した場合、登録免許税と不動産取得税の税率が、遺贈や法定相続よりも高くなります。

遺贈による不動産移転では、相続人(0.4%)、相続人以外(2%)の登録免許税がかかります。一方、死因贈与による移転では、相続人、相続人以外に関わらず常に(2%)です。

2)負担付死因贈与を撤回できないケースがある

負担付死因贈与によって、受贈者がすでに負担を履行している場合は、原則として契約を撤回できません。履行された契約は、一方の意志だけでは撤回できないのです。受贈者は契約どおり、財産を受け取り、義務を実行しなければなりません。

 

相続は「行政書士 服部祥明(はっとり・よしあき)事務所」にお任せください。

誠心誠意、ご依頼者様の立場に立って遺言書および遺産分割協議書を作成いたします。お問い合わせは以下まで。全国対応、秘密厳守いたします。

行政書士 服部祥明事務所

住所:名古屋市中区金山1-11-10 金山ハイホーム1002号

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メール:yyy@office-yhattori.com

 

墓じまいの基本知識

かつて、お墓は代々その家で受け継がれていくものでしたが、婚姻率や出生率が下がり、都市部への移住がすすんで、地方にある実家のお墓を世話することができない方も増えています。

こうした悩みを解消する方法として、「墓じまい」を検討する人が増えています。

①墓じまいとは

墓じまいとは、お墓を解体して撤去し、別の方法で供養することです。墓じまいした後の遺骨は、ほかの墓地に移転する、もしくは永代供養墓地に改葬するという選択肢があるほか、散骨を選択するケースもあります。

②墓じまいの手順

それでは早速、墓じまいの手順を解説していきましょう。

1.親族との話し合い

墓じまいで最初にやらなければならないことは、家族や親族との話し合いです。とくに、何代にも渡って納骨し、親戚の遺骨が埋葬されているお墓の場合は、親戚一同の理解と同意が必要です。

2.寺院との相談

親族との話し合いと並行してすすめる必要があるのが、寺院との話し合いです。

公営の霊園などに納骨している場合は、行政等に利用をやめる旨を伝えれば済むのですが、寺院の場合は話がこじれる可能性があります。それというのも、墓じまいをするというのは、すなわち檀家をやめることになるからです。

寺院にとっては減収に直結するので、すんなり話がまとまらないケースが少なくないのです。話がこじれると、埋葬証明書を出してもらえなくなったり、法外な離檀料を請求されることもあります。

寺院とトラブルにならないためには、一方的にこちらの意向を伝えるのではなく、なぜ墓じまいをしなければならないのか、その理由を真摯に説明することが大切です。もっとも、最終的にはお金の問題になるため、トラブルになった際には弁護士に仲介に入ってもらう事態も想定しておかなければなりません。

3.改葬先を決める

親族や寺院の同意を得られたら、その先、どのような供養をするかを決めます。改葬先によって費用がかなり違います。自然に帰る供養の方法として、散骨や樹木葬の人気が高まっていますが、手を合わせる場所が欲しい場合は、永代供養や納骨堂を選択します。

4.改葬のための行政手続きをする

改葬先が決まったら、改葬の手続きを始めます。墓じまいするためには、役所の許可が必要です。現在お墓のある自治体の役所に、以下の届け出をおこないます。

・改葬許可申請

・埋葬証明書

・受け入れ証明書

5.解体業者の手配

墓石を撤去して更地に戻す工事をする解体業者を手配します。

6.閉眼供養をする

墓石を撤去する前に、閉眼供養を行います。閉眼供養とは魂抜きとも呼ばれ、仏様の魂を抜き、墓石をただの石に戻す儀式です。

お寺の墓地に埋葬してある場合は、そのお寺の僧侶にお願いしますが、公営の墓地に埋葬している場合は、近隣のお寺から僧侶を呼んで、供養をしてもらうことになります。

7.書類の準備

閉眼供養を終えて解体工事が始まる前に、改葬許可証等の書類を準備します。発行には時間がかかる場合もあるので、少なくとも工事の1か月前には着手しておきたいところです。

8.解体工事

閉眼供養が済んだら工事が始まります。墓石を撤去し、ご遺骨を取り出して更地に戻したら、墓じまいは完了です。

9.新たな場所で供養する

墓地から取り出された遺骨を、次のお墓または納骨堂等へ移します。散骨をする場合は、一旦自宅で遺骨を保管することになります。

③墓じまいの費用について

1.撤去費用

墓を撤去し更地にして返納する際にかかる工事費用は、1㎡あたり10~15万円程度が平均的です。

2.閉眼法要のお布施

法要のお布施の金額は決められたものではないので、可能であれば直接寺に相談してみてください。目安としては永代供養料に相当する金額が妥当といわれています。

3.離檀料

墓じまいをする場合、それまでお世話になった寺から離檀料を請求されることがあります。金額の規定を定めているところもあるので、確認してみてください。

墓じまいを寺に申し出た際に、納得してもらえず、法外な離檀料を請求されるケースがあります。 離檀料には法的な根拠はなく、感謝の気持ちを表すものです。したがって、もし「100万円払って欲しい」など、高額な離檀料を請求された場合でも、応じる必要はありません。 はっきりと支払えない旨を伝えてください。もし話がこじれてしまった場合には、弁護士など第三者を交えて話すことをおすすめします。

4.移転先の墓地での納骨、法要の費用

墓地や納骨堂、永代供養墓など、新しい納骨所の取得費がかかります。その際に、移転先でご僧侶へのお布施が必要になる場合があります。

5.書類取得のための手数料

改葬許可申請書、埋葬証明書、納骨証明書・受入証明書、永代供養許可証の手続きのために手数料が必要です。自治体や管理者によって異なりますが、数百円~1,000円程度が目安です。

6.納骨堂の費用

新たに納骨所を入手する場合の費用は、供養方法によって数万円~数百万円と大きく異なります。

7.専門家への委託

また、手続きを行政書士などの専門家に依頼する場合は費用がかかります。手続き代行の費用は一般的に10~20万円程度と言われています。墓じまいの手間は想像以上に大変なので、仕事で忙しい方などは、専門家を活用することをおすすめします。

 

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古今亭志ん生の落語

昭和の名人と呼ばれた五代目古今亭志ん生は、滑稽話を得意にしていましたが、人情噺や陰惨な噺を滑稽に演じるという独自のスタイルで人気を博しました。なかでも「黄金餅」や「藁人形」「もう半分」といった怪談話をよく演じていました。

参考までに「もう半分」のストーリーを紹介しましょう。

①「もう半分」

江戸の永代橋の脇で、小さな注ぎ酒屋を営む夫婦がいました。この店に、行商の老人が毎日通ってきては、「(一合桝に)半分だけお願いします」といって、五酌だけ酒を頼み、それを飲み終わると「もう半分」といって、また五酌注文するという、少し変わった飲み方をしていました。老人曰く、「一合の酒を半分ずつ飲んだほうが得をしたように感じる」というのです。

ある日、老人が店に風呂敷包みを置き忘れて帰ってしまいました。店主が中身を確かめると、50両もの大金が入っていました。悪心をおこした店主夫婦は、金を自分たちのものにしようと、口裏を合わせることにします。

あわてて店に風呂敷包みを取りに戻った老人は、風呂敷包みの中身を「娘が吉原に身売りをしてつくった金だ」と明かし、「返してほしい」と頼み込みますが、店主夫婦は知らぬ存ぜぬの態度を貫きます。

老人はあきらめて店を出ると、そのまま大川に身投げしてしまいました。

しばらくのちに、酒屋夫婦に子どもが生まれました。生まれた赤ん坊の髪は白髪で、あの老人そっくりの顔をしていました。店主の妻はショックで寝込み、そのまま死んでしまいました。店主は乳母を雇って子どもの世話をさせますが、乳母は理由もいわずに、次々と辞めてしまいます。

不審に思った店主は、ある晩、赤ん坊が寝ている部屋をのぞいてみることにしました。すると、丑三つ時に赤ん坊がすっくと立ちあがり、枕もとの行灯(あんどん)の油さしから油を茶碗に注ぐと、うまそうに飲み干してしまいました。店主は「おのれ、じじい。迷ったか」と叫ぶと、赤ん坊は茶碗を差し出し、「もう半分」。

②後味の悪さ

落語はほかの芸能とは異なり、かならずしも勧善懲悪の結末を用意していません。落語は庶民の娯楽であると同時に、さまざまな示唆に富んでいます。人間の本能的な愚かさ(立川談志がいうところの『業の肯定』)を表現するのです。

また、観客に「語りの先」を想像させる形をとって、物語の結末を語らない手法をとることも多いです。「もう半分」では、店主に仏罰(あるいは神罰)が下されるという点では勧善懲悪のストーリーですが、それによって観客の溜飲が下がるかといえば一概にそうとはいえません。異形の赤ん坊と店主のその後について、さまざまな想像を呼び覚まさせるからです。

③実に救いようのない噺「藁人形」

もっと救いようのない噺もあります。「藁人形」という演目を紹介しましょう。

托鉢僧の西念は、「お熊」という女郎に金をだまし取られます。西念には大金を隠し持っているという噂があり、西念から金をだまし取れるかどうか、女郎仲間が賭けをしていたのです。30両の大金を取られた西念は、女を呪い殺す目的で、七日七晩、油の煮え立つ鍋で藁人形を煮る呪術を使うのですが、七日目の呪いの成就の目前に甥の甚吉に見つかってしまいます。

甚吉が「おじさん、なんで藁人形を鍋で煮るんだい。藁人形は五寸釘が相場だ」というと、西念は「あの女は、もとは『ぬか屋』の娘だ。釘は効かねえ」。

西念は大金を女にだまし取られただけという、救いようのない結末となりました。もっとも、かりに七日間の呪術の結果、女を呪い殺せたとしても、西念にはその先に明るい未来があるわけではありません。金はとっくに「お熊」のイロ(愛人)の手に渡り、賭博で使い果たしています。

古今亭志ん生の落語

「藁人形」のテーマは「安易に他人を信じてはいけない」という警句かもしれません。しかし、志ん生の芸は警句を上回ります。「釘は効かねえ」というサゲを聞いて、観客は爆笑します。西念の失敗に対して、同情ではなく滑稽を呼び起こすのです。このように、人の不幸を笑いに変えてしまう志ん生の芸の力量には、目を見張るべきものがあります。

生命保険がせめてもの救いになるという話

争族(=相続争い)という言葉が一般的になりましたが、実際にどれぐらいの争いがあるのでしょうか。

2020年の最高裁判所の司法統計によれば、「遺産の分割」に関する審判と調停の合計件数は約14,600件でした。同年の死亡者数は約137万人なので、割合にすると(約1.1%)ということになります。

ひょっとすると、イメージしていたよりもトラブル事例は少ないかもしれません。しかし、審判や調停というのは、いわゆる「裁判所にお世話になった」案件であって、このほかに裁判所に持ち込まれなくても弁護士に仲裁に入ってもらったケースや、当人同士で解決したケースもあるわけですから、潜在的なトラブルは、かなり多いことが想像できます。

①争族のパターン

争族といっても、その形は千差万別ですが、要因については、おもに以下のように分類できるように思います。

1.法定相続人の範囲

・知らない相続人が出現した(前妻の子どもや認知した子ども)

・相続人の配偶者が遺産分割に介入

2.相続財産の範囲

・生前贈与が行われた

・親族による療養介護などの貢献

3.相続財産の分割方法

・遺言書による極端な財産配分

・遺産が不動産だけのケース

・遺言書の真偽が不明

②複雑な相続人関係を打開する方法

1.争族を最小限に抑えるひとつの提案

上記のように、争族にはいくつかの類型があり、その要因については、被相続人や相続人が事前に対策できないような場合もあります。しかし、そのようなケースにおいて、事前に争いを最小限に抑える提案があります。それは、生命保険を利用した相続対策です。

2.生命保険は遺産ではなく固有財産

現預金や不動産などの財産は、遺留分減殺請求の対象財産となりますが、死亡保険金は原則、その対象にはならず、受取人の固有財産です。したがって、受取人を誰に指名しておくかによって、争族対策になりえます。

③ある家庭における相続のケース

生命保険が、どのように争族対策として有効に働くのでしょうか。具体的に、ある家庭を題材にして考えてみましょう。

1.妻による争族対策

子どもが1人の夫婦がありました。しかし、この夫婦の関係性は円満とはいえないようです。夫には愛人がおり、どうやら子どもを成しているらしいことを、妻は知っていました。

そこで妻は、最悪の事態を想定してある対策を取っていました。妻は夫の生前から、受取人を妻と実子とする生命保険(1億円)を夫にかけていたのです。ちなみに、月々の保険料は、夫の銀行口座から支払われていました。

2.法定相続分はこうなる

夫の死後、死後認知した婚外子が出現したことで、遺産相続は一気に争族へと発展する気配をみせました。死後認知によって、婚外子にも実子と同等の相続が認められます。

夫には現金と自宅不動産をあわせ、1億円の財産がありました。夫は遺言書を残していなかったので、遺産分割は法定相続分によって分割がおこなわれます。

法定相続による遺産分割は、このような割合になります。

妻…………5000万円(50%)

実子………2500万円(25%)

婚外子……2500万円(25%)

しかし、遺産のほかに1億円の生命保険が、妻の固有財産として存在します。これにより。3人の受取額は以下のようになりました。

妻…………1億5000万円(75%)

実子………2500万円(12.5%)

婚外子……2500万円(12.5%)

なにもなければ、婚外子に夫の遺産の(25%)が渡るところ、生命保険を加えた総額の割合で算定すると、(12.5%)に抑えることができました。受け取る遺産額に違いはないので、婚外子からの異論はありません。

あるいは保険金の受け取りを実子にしておくケースも考えられます。この場合も、婚外子に渡る遺産額は変わりません。

妻…………5000万円(25%)

実子………1億2500万円(62.5%)

婚外子……2500万円(12.5%)

3.生命保険による争族対策

生命保険を嫌う方も多いですが、このような争族対策としての使い方もあります。今回は妻による争族対策として紹介しましたが、妻や実子に相応の遺産を渡すための対策として、夫が自ら生命保険をかけるパターンも考えられます。

婚外子の存在や死後認知という事実に関しては、心の問題として、妻として納得できない感情が生まれるのは当然ですが、このような遺産分割を準備しておくことは、夫として、せめてもの償いになるかもしれません。

 

非フランチャイズ型学習塾を開業するポイント

学習塾を経営する場合には、「個人経営かそれともフランチャイズか」という選択肢がありますが、今回は個人経営の非フランチャイズ型学習塾の開業がテーマです。

学習塾を開業したいと考えているものの、どのような準備が必要かわからない人に向けて、開業までの準備や流れなどを解説します。

開業に向けて必要な手続きや成功のポイントにも触れるので、ぜひ参考にしてください。

①学習塾経営のための資格は必要ない

学習塾経営に資格は必要ありません。税務署に個人事業の開業届を提出して申請が認められれば、誰でも学習塾の経営者になれます。教室を運営するための設備投資や講師の人件費はかかりますが、商品を売るわけではないので、在庫を抱えるリスクはありません。

比較的リスクが少ないビジネスのようにも思えますが、学習塾経営を軌道にのせるためには、生徒にどのような教育を受けさせたいかという教育ビジョンが必要です。

教育ビジョンとは、「受験のための進学教室」「授業の遅れを取り戻す補助教室」など、学習塾の方向性のことです。教育ビジョンがないと、保護者が自分の子どもをその塾に通わせる必然性を説明できないということです。

②学習塾の分類

1.集団指導型

進学塾に多いのが集団で一斉に指導を受ける集団指導型です。

受験合格を目標にしているためライバル関係が生まれやすく、切磋琢磨しながら学習するのに適したスタイルです。

2.少人数指導型

グループ指導型のスタイルで、参加者の習熟のレベル平均的にをあげていくのが目的です。

3.個別指導型

集団指導型では難しい手厚いサポートが目的です。高度な受験勉強のほか、大勢のなかでは緊張する、学習に身が入らないという生徒に対応できることもメリットです。

4.リモート学習型

映像を見ながら学習を進めるタイプの塾が増加中です。

教育レベルを保ったまま、人件費を削減できます。生徒が自宅で学習する形式であれば、教室などの設備費を抑えることができます。

③開業資金

1.一般的な開業資金

塾の規模によっても異なりますが、ひとつの目安として開業のための初期費用は500万円程度を準備しましょう。

項目としては、物件取得費、教材費、内装工事費、設備費、広告宣伝費などです。

そのほかに、運営資金としては人件費、教室の家賃、水道光熱費などがあります。

開業後1年程度の運営費を、予備費として確保しておきましょう。

2.公的融資および助成金について

自己資金に自信がない場合は公的融資や助成金制度を活用することも検討してください。日本政策金融公庫の新創業融資制度は、事業の実績を問わず、担保や保証金もなしで融資を受けられます。

自己資金の額しだいですが、低金利で最大3000万円もの融資を受けられます。

地域雇用開発助成金厚生労働省から受けられる助成金で、地域の活性化に役立つとされる事業に対して提供されます。

そのほかにも、各自治体がおこなっている融資制度などがあります。いずれの制度も、ご自分で申請することも可能ですが、司法書士行政書士など融資の専門家に依頼することで、スムーズに手続きができます。

④学習塾経営の難しさ

近年、学習塾の経営は難しくなっています。

1.少子化の影響

少子化によってターゲットとなる子どもが減っているので、市場全体がジリ貧の状態です。

2.個別指導塾のニーズの高まり

個別指導塾のニーズが高まっていることによって、集団指導塾は経営が厳しくなったといわれています。集団指導塾の領域においては、とくに個人学習塾の生き残りが難しくなっています。

3.業界内の競争激化

ターゲットとなる生徒が減っているのに対して、学習塾業界に進出する企業や個人は増加傾向です。ほかの塾との差別化を図るためには、何かしらの強みを持つ必要があります。

4.気になる学習塾オーナーの年収は

一般的に非フランチャイズ型学習塾のオーナーの年収は500万円程度といわれています。多くの生徒を預かる責任のある立場であることを考えると、収入としては少し物足らないようにも思います。

⑤学習塾開業の流れ

1.塾のビジョンを決める

最初に学習塾のターゲットや教育ビジョンを決めましょう。

教育ビジョンが決まらないと、開業場所の選定や講師の確保がすすみません。学習塾を新規開業する場合は個別指導塾をおススメします。

世の中のニーズは個別指導型に傾いており、生徒一人あたりの単価を高く設定しても、特色ある塾であれば集約が見込めるためです。

2.開業後の収支を考える

塾の経営を安定して続けるためには、事前に開業後の収支をシミュレーションする必要があります。進学塾を目指すなら、実績がある講師を集めなければいけないので人件費がかさみます。補習塾であれば、大学生のアルバイトでも務まるので人件費を抑えられるでしょう。

このように、塾の教育ビジョンに基づき、収支バランスを取れるように計画を立ててください。

3.教室の物件を選定する

教室の場所は、利便性と環境をチェックして選びましょう。

自宅で開業する人もいますが、教室を借りる場合は駅や学校の近くなど、生徒が通いやすい場所がいいでしょう。公共交通機関がないエリアの場合は、保護者の車送迎を想定し、近くに駐車場がある場所での開業がおススメです。

生徒と保護者が安心できるように、治安面も重視して開業場所を選んでください。

4.機材の準備

看板の設置や外装工事、ホワイトボードや机、イスを手配しましょう。教室の什器は中古品でも構いません。

5.人材確保

求人サイト、人材紹介サービス、ハローワークなどを使って講師を確保します。開業初期は、自分が講師やスタッフとして働くケースも多いです。

6.生徒募集

塾の存在をアピールしないと生徒の集客はできません。

塾の特徴や強みを説明するチラシの配布や地元のフリーペーパー、Webサイトの作成、SNSでの呼びかけ、夏期講習など季節に応じたイベントの企画などを通じて宣伝募集しましょう。

⑥強い学習塾に育てるためには

1.強い学習塾に育てるために必要なビジョン

大手塾のような画一的な指導法ではなく、生徒それぞれにあわせたきめ細かい指導ができる独自の教育ビジョンを構築することができれば、個人指導などをメインとした小さな塾であっても充分に戦えます。

2.柔軟なスケジュール構築

小さな塾は、スケジュールを組みやすいというメリットがあります。

集団授業を行っている大手塾では、教室ごとに人数のばらつきが生じるなどの非効率が発生しますが、個人指導であれば生徒に合わせた教室の運営が可能です。

3.大切なのはコスト管理

塾を経営するためには特別な資格は必要ありませんが、オーナーには単に講師としてではなく、経営者としての意識が求められます。

良質な経営を維持するためには、厳しいコスト管理が必要です。学習塾の運営がスタートすれば、オーナーは日々、費用細目とにらめっこすることになるでしょう。

しかし、あらゆる経費の見直しを迫られる場面であっても、人件費の削減だけは教育の質を落とすことになるのでおススメできません。

⑦会社設立・起業を考えている方へ

会社を設立するうえで欠かせないのが「登記手続き」と「創業資金の準備」です。

会社登記は会社設立をする際に必須の手続きです。

自分で手続きをすることもできますが、かなりの手間や時間がかかります。

また、融資を受けて創業をする場合には、金融機関に提出するためのさまざまな資料を準備しなければなりません。

また、さまざまな助成金補助金制度についても、個人で申請をおこなうのはなかなか骨が折れるものです。

こんなときには専門家に手続きを依頼しましょう。

登記手続きや創業融資、助成金補助金の申し込みに費やす時間や労力は、ぜひこれからのビジネスの本業をスタートするために使っていただきたいのです。

⑧創業融資を受けるためには専門家を利用しよう

日本政策金融公庫で創業融資を利用する際には、行政書士のサポートを受けることをオススメします。

創業融資を受けるためには、創業計画書や事業計画書などを作成し、創業するビジネスがどのように成功していくかについて根拠をもって説明する必要があります。

創業計画書や事業計画書をどれだけしっかりと作成し、きちんと説明できるかという点が非常に重要です。

もちろん、ご自身で創業計画書・事業計画書を作成し、日本政策金融公庫の面談を受けることも可能ですが、融資成功の確率をしっかりと高め、融資を実行させるためには、融資の専門家に依頼することが一番です。

相続財産が不動産しかない場合の注意点

ご自分の遺産相続を考える際に、不動産のほかに預貯金などがあれば、「長男には土地家屋を、次男には預貯金を」といったように分配することができますが、「財産といえば家と土地だけで、現金や金融資産はほとんどない」というご家庭も多いのではないでしょうか。
相続人が複数いる場合、不動産を共同名義にするケースも見受けられますが、のちに不動産を処分する際に、共同名義のままではスムーズに現金化ができないケースも見受けられます。

①母と2人の子どもの家族の場合

たとえば、母親と子どもが2人の家族における相続をイメージしてみましょう。父親は20年以上前に他界し、当時は子ども2人が幼かったため、母がすべての遺産を相続しています。
母の財産は以下の通りです。

・不動産(土地と家屋) 評価額1億円
・現金2000万円

②不動産の共同名義について

1.不動産の共同名義とは
母が亡くなった場合、子ども(AおよびB)は、6000万円分ずつ均等に相続するというのが法定相続の基本的な考え方です(母親の扶養など寄与分の条件は除外)。
相続の方法のひとつとして、「不動産を共同名義にする」という形があります。この場合には、たとえば以下のような分配方法が考えられます。

・A⇒不動産(土地と家屋)のうち5割(5000万円分)と現金1000万円
・B⇒不動産(土地と家屋)のうち5割(5000万円分)と現金1000万円

あるいはこのような形も考えられます。

・A⇒不動産(土地と家屋)のうち6割(6000万円分)
・B⇒不動産(土地と家屋)のうち4割(4000万円分)と現金2000万円

(※)なお後述しますが、不動産の価額の算出方法については少々面倒な問題があります。

2.共同名義の問題点
不動産を共同名義にした場合には、以下の問題が発生するリスクがあります。
1)不動産の運用が難しくなる
先ほどの家庭の例でいうと、母が亡くなったあと、土地家屋はAとBの共有になります。共同名義の不動産には、いくつか問題点があります。
たとえば、共有建物を賃貸するためには、共有者の持分の過半数の同意が必要であり、売却する場合には、共有者全員の同意が必要です(ただし、持分の売買については単独でも可能)。

2)代替わりを重ねると解決がさらに困難になる
共有者の一方(たとえばA)が死亡した場合には、Aの相続人(配偶者や子ども)が共有持分を相続することになります。さらにその先、AおよびBの直系卑属がいる限り、代替わりするごとに、共有者は連鎖的に増えていきます。
代を重ねるごとに血縁関係は遠くなり、関係も疎遠になっていきます。その段階になって、共有者の誰かが不動産を処分しようと考えても、全員の同意が得られず、処分をすることが難しくなってしまうことが考えられます。
結局、共同名義という相続方法は、遺産分割の解決を先延ばしにするだけで、最終的な解決にならないというわけなのです。

③共同名義以外の解決方法

それでは、共同名義以外に、どのような遺産分割の方法があるのでしょうか。

1.代償分割
「代償分割」は、相続人の誰かが不動産を相続し、ほかの相続人に金銭で精算する方法です。 相続した不動産に相続人の誰かが住む場合、たとえば長男Aが、母の住んでいた家にそのまま住み続けるというパターンが一般的です。
長男Aが実家を相続するかわりに、次男Bには応分の遺産を金銭で精算します。この場合、Aが、Bに支払うお金を用意できるかどうかがカギになってきます。

2.不動産の評価問題
また、前述したように、お互いの相続分を算定する際には、相続不動産の価額の妥当性が問われます。不動産の評価方法は、時価なのか、固定資産税評価額なのか、それとも路線価で評価するのか、あるいは不動産鑑定士に鑑定評価をしてもらう方法もあります。
不動産価額の算出方法には決まりはないので、あくまでも相続人全員の話し合いによって合意を得る必要があります。この場合、相続人全員が納得する評価方法を採用することが難しいケースも考えられます。

3.換価分割
「換価分割」は、不動産を売却してお金で分け合う方法で、最も公正かつ適正な方法といえるでしょう。実務上でも多く採用されています。売却すれば、不動産を維持するための固定資産税の負担もなくなります。
換価分割の問題点は、売却するために相続人全員の合意が必要だということです。相続人のうちの誰かが売却に反対すれば、売却はできなくなります。このほか、大前提として、売却できる不動産であることが重要です。地方の物件などは、そもそも売却先が見つからないことも考えられることから、換価分割の方法は難しいと思います。
実際に売却するためには、一旦相続人に登記名義を移す必要があります。この場合、売却活動を行う代表相続人1人が名義人になる、もしくは法定相続分の登記を行ったうえで、売却をすすめることになります。

④解決方法は状況により変えること

「共同名義」「代償分割」「換価分割」の3つの方法を紹介しましたが、それぞれ長所短所があります。どの方法を採用するかについては、状況に応じて選択することになります。

1.共同名義は避けたい
まず、共同名義については、結局のところ遺産分割の問題の先延ばしにしかならないので、基本的には選択肢から除外すべきと思います。
そのほかの共有不動産のトラブルの典型的な例が「共有物分割請求」という仕組みです。各共有者は、共有状態を解消するために、ほかの共有者に対して共有物の分割を請求することが認められているのです。
共有者同士が分割方法を巡って強硬に主張を戦わせ、親族関係がますます悪化してしまったケースも少なくありません。最終的に裁判で共有物分割請求が争われることになると、過大な弁護士費用がかかるほか、当事者にとって不本意な形で土地・建物が競売されてしまう可能性もあります。

2.不動産が売れるかどうかで決める
残る2つの選択肢ですが、いずれを選ぶかについては、相続人全員に売却意思の合致があるかどうかで判断しましょう。
家族が長く住み続けてきた家など、思い入れが強い不動産を他人に売りたくないという遺族の気もちはよく理解できます。誰か一人でも拒めば、売却手続きはスムーズにすすめられません。
また、その不動産が物理的に売却可能かどうかもポイントになります。田舎の屋敷など、売却が見込めない物件については、換価分割は現実的に難しいでしょう。
売却が難しいとなれば、あとは金銭による精算で合意を進めていくことになります。家屋敷を相続した長男が手元に現金がない場合には、融資も検討したいところです。代償分割を対象にしたローンを組める金融機関もあるので、調べてみるといいでしょう。

 

相続は「行政書士 服部祥明(はっとり・よしあき)事務所」にお任せください。

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